60年生きて気付いた、母の席を今も片づけられない #名言 #名言集 #心に響く言葉
母がいなくなってからも、
食卓には変わらないものがありました。
母がいつも座っていた椅子です。
食卓の端の、
いつもの場所。
夕飯になると、
そこに母が座っていました。
「今日はどうだった?」
「ちゃんと食べてる?」
「もう少し食べなさい」
何十年も聞いてきた、
何でもない母の言葉。
あの頃は少し、
うるさいと思ったことさえありました。
でも今は、
もう聞くことができません。
母がいなくなったあとも、
なぜか誰もその席には座りませんでした。
そこを見るたび、
母が座っている姿を
思い出してしまうから。
ある日、
「そろそろ片づけよう」
そう思って、
椅子に手をかけました。
でも――
動かすことができませんでした。
この椅子を片づけたら、
母が本当にいなくなってしまう気がしたから。
もちろん、
分かっています。
椅子を残しても、
母が帰ってくるわけではありません。
それでも、
残しておきたかった。
母がここにいた証を。
家族と笑った場所を。
何度も夕飯を食べた場所を。
「おいしい?」
と聞いてくれた場所を。
歳を重ねて、
ようやく分かりました。
人がいなくなると、
大きなものより、
その人がいつもいた
“小さな場所”が一番寂しくなる。
玄関の靴。
台所のエプロン。
食器棚の茶碗。
そして、
誰も座らなくなった椅子。
そこには、
一緒に過ごした時間が残っています。
もし一度だけ、
母があの席に戻ってきてくれるなら。
特別なことは何もしなくていい。
向かいに座って、
いつもの夕飯を食べたい。
そして今度こそ、
母の顔を見て伝えたい。
「お母さん、
ずっとここにいてくれて、ありがとう」
今日、
あなたの隣に座っている人も、
ずっとそこにいるとは限りません。
だから、
何でもない今日を大切にしてください。
一緒に食べて。
一緒に話して。
一緒に笑って。
そして言えるうちに、
「ありがとう」
を伝えてください。
心にお母さんの姿が浮かんだ方は、
コメントに残してください。
空いた席を見るたび、
私は今も心の中で母に話しかけています。
「お母さん、今日もありがとう」
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